イスラエルで夫さまのお姉さんのうちに遊びに行ったとき、
”これ見て!”と見せてくれたもの。
夫さまのお姉さんのお義母さんがプレゼントしてくれたものだそう。
かわいらしい花がチクチク刺しゅうされたテーブルクロスは、
縦1.5m、横2.5mくらいの大きなもの。
この刺しゅうをしたのは、夫さまのお姉さんのお義母さんの親友(長くてすみません)。
第2次大戦中、ユダヤ人であるその親友Mさんは、
ドイツ占領下のフランスの田舎に身を隠していたそうです。
まったく先が見えない恐怖の中で、自分の心を持ちこたえるために、
ひたすら刺しゅうをしたようです。
かわいらしい明るい色の花がちりばめられた模様、
この大きなテーブルクロスが必要なくらい大きなテーブルに家族全員が集まって食事をする様子を想像しては、チクチク針を動かしたのでしょうか。
残念ながら彼女は終戦後若くして亡くなったそうで、このクロスは親友だったお義母さんに譲られたそうです。
65年以上経っても、まったく色あせない美しさ。
そして、過酷な状況の中でも1人の女性の気持ちを支え続けた、
チクチクの力に、圧倒されました。
今、自分の楽しみのためにチクチクできる喜びに感謝しながら、
チクチクノチカラがこれからもたくさんの方に届きますように。